言葉はいつも想いに足りない

~きおくのきろく~

 午後6時過ぎ、強烈にめまいが起こる。もう、ぐるんぐるんと右回りに世界が回りまくる。約3分間の奇妙な体験。疲れ目かと思い、目を閉じても止まらない。窓の外、遠くを見ても止まらない。水を軽く飲んで落ち着こうとしても落ち着かない。正直、死ぬかと思った。歩くどころかイスから立ち上がることもできそうもない感覚に、あ、これはもう救急車だ、と覚悟した。
 3分後、回転は徐々に納まり、冷静さを取り戻す。思い返すとこのめまいの感覚は、日本酒たらふく呑んで酩酊状態のままヨロヨロと布団に寝っころがると天井がぐにゅ〜っと回る感覚、あれにそっくりだった。違う点は、めまいは乗り物に酔ったような吐き気がする。もう何分か続いていれば間違いなく吐いていたように思う。
 5月、6月とずっと週休1日生活を続けてる上、最近はワールドカップ日程のため十分な睡眠も取れていないことが原因のようだ。体の奥の方にはしっかりと疲労が蓄積されていたのだろう。
 こういうことがあると思うのは、やっぱり意外にもう若くないのよね、自分…。