言葉はいつも想いに足りない

~きおくのきろく~

 二度目のデート?
 話のネタとかそういう感じのものには苦労しない。お互い人生経験豊富(ちょっと失礼な表現だな)だしね。帰り別れ際の駅ホーム。いやぁ絶対あの時は手を握るタイミングだった。いやするべきだった。そういうのはもっと緩やかなもので、自然にそうなるのだと思っていた。だが違う。タイミングというものが存在し、かつ行動を起こすのには甚大な勇気がいる。…握れんかった。いや怖えーよ。いや無理。うわーすげー。いやあかんて。あーもう…。
 いやしかしなんでいい年して今さら男子中高生みたいなこと言ってんだろ。でもね、ちょっと感動したのよ。先人たちが経験してきた道を経験できたことに。いやたしかにすごいわ。こりゃ怖いわ。
 すごい貴重な、素敵な経験をした気がする。思いっっっっっっきり遅いけどね。これって青春だよね。青春みたいに切なくなってもいいよね。
 自分はあの方にではなく、恋に憧れていることに程なく気づいた。もちろんあの方のことは好きなんだけど。というかまだ二度しか会っていないのでそう好きかどうかは分からないというのもある。が、自分の場合一番はこっちが好きかどうかではなく、相手が自分のことを好きになってくれるかどうかなのだ。そういう意味で自分には選択肢がないように思っている。簡単にいえば自分のことを好きになってくれる方なら誰でもいい、そんなスタイルだったりする。いいことじゃないんだろうけど。
 ありのままの自分。魅力なんかあるのかな。自分ですらダメ野郎だと思ってるんだからもう尚更。次回……あるのだろうか。さみしいけどそれも現実なのだろう。好き、か。人を好きになるって行為自体があまり分からなかったりもする。人様のことを好きになるほどの価値すらないって卑下た気持ちがある。なんでこんなになってしまったのだろう。
 はぁ。
 手を、握れたら、変われる気が、する。
 誰もが一度は通る道じゃないか。だよね、がんばってみます。