言葉はいつも想いに足りない

~きおくのきろく~

 今回のミュージカル、正直、デキは最悪だと思う。


 今まで数多くの演劇を観劇してきました。でもこれは少なくともS席12,000円ものお金を取って見せるレベルのものでは全くない。学校の体育館でやる学芸会クラスといっても言い過ぎではないかもしれない。



 初日の劇中。
 当然の如く、主に吉澤さんしか観ていない自分。劇の途中…劇が終わっても、自分は腹が立って腹が立って仕方がなかった。終演後は友人たちの手前、「吉澤さんの出番が少ない」という理由で怒っているふうを装っていたけど、もちろんそれにも立派に腹が立ってはいたが、舞台の上には「やや」ではなく「吉澤ひとみ」がいた。観客のリアクションがあれば反応してしまう、観客が笑えば自分も笑う、そんなグダグダ芝居をする「吉澤ひとみ」が舞台上にいました。



 もうショックでショックで…。


 「この娘は舞台をなめてる」本気でそう思いました。



 舞台をなめてる人間は許せない。
観客は高いお金を払って学芸会を観に来ているのではないのです。それは脇を固めている役者を本業としている方々にも失礼極まりない行為です。



 今まで観た演劇(学生演劇含め)の中で、舞台の上でいとも簡単に素の自分に戻ってしまう、そんな役者は一人として観たことはありませんでした。それがよりによって吉澤さんだったのです。


 吉澤さんを応援することはもう出来ない、素で考えました。



 応援とは見返りを求めない無償の行為。(←と自分は思う)
「この人!」と信じているからこそ推せるのです。言ってみれば勝手に相手と信頼関係を築き、応援しているのです。


 その信頼関係が崩れてしまいました。


 自分は「吉澤さんが最高」で「この人ならきっと天下を取れる」と信じているからこそ、今までこうして推してこれたのです。



 でも本人に全くその気がないとしたら…。


 全くそんな器ではないとしたら…。