言葉はいつも想いに足りない

~きおくのきろく~

「なんか不思議な感じがする」
「うん、なんか不思議な感じ」
 ふたりの気持ち・想いがひとつになった瞬間。手をつなぎました。手をつないじゃいました。彼女の手は暖かく、僕はとてもドキドキしました。手をつないで歩く駅までの道のり、このままずーっと歩いていたいと思っていた。この瞬間が永遠に続けばいいのに…。数分後、駅に到着。手はまた離れ離れに。僕の手は彼女の手を握ることで初めてその存在意義を見いだす、彼女の手を握るために僕の手はこの世に存在するんじゃないのか、そんな気持ちになる。
 鍋美味しかったなぁ。スーパーでいっしょに買い物。並んでいっしょに料理の支度。包丁で野菜を切る彼女の後ろ姿を見つめ、いっしょに鍋をつついた。たわいもない会話の数々…。
 僕は今日の日を一生忘れない。こんな素敵な日を決して忘れない。
 今日僕が話したかったことは最後の30分。話しができてよかった。たどたどしく優柔不断なしゃべり方になってしまっていた気もとってもするけど、ちゃんと話しができてよかった。目を見つめながら話しをした。照れもあった。でも彼女はちゃんと聞いてくれた。
 正直、自分にはもったいなすぎる方だと思う。がんばらねばいけないと思う。何をどうということではない。「すべてに」だ。

 二度目のデート?
 話のネタとかそういう感じのものには苦労しない。お互い人生経験豊富(ちょっと失礼な表現だな)だしね。帰り別れ際の駅ホーム。いやぁ絶対あの時は手を握るタイミングだった。いやするべきだった。そういうのはもっと緩やかなもので、自然にそうなるのだと思っていた。だが違う。タイミングというものが存在し、かつ行動を起こすのには甚大な勇気がいる。…握れんかった。いや怖えーよ。いや無理。うわーすげー。いやあかんて。あーもう…。
 いやしかしなんでいい年して今さら男子中高生みたいなこと言ってんだろ。でもね、ちょっと感動したのよ。先人たちが経験してきた道を経験できたことに。いやたしかにすごいわ。こりゃ怖いわ。
 すごい貴重な、素敵な経験をした気がする。思いっっっっっっきり遅いけどね。これって青春だよね。青春みたいに切なくなってもいいよね。
 自分はあの方にではなく、恋に憧れていることに程なく気づいた。もちろんあの方のことは好きなんだけど。というかまだ二度しか会っていないのでそう好きかどうかは分からないというのもある。が、自分の場合一番はこっちが好きかどうかではなく、相手が自分のことを好きになってくれるかどうかなのだ。そういう意味で自分には選択肢がないように思っている。簡単にいえば自分のことを好きになってくれる方なら誰でもいい、そんなスタイルだったりする。いいことじゃないんだろうけど。
 ありのままの自分。魅力なんかあるのかな。自分ですらダメ野郎だと思ってるんだからもう尚更。次回……あるのだろうか。さみしいけどそれも現実なのだろう。好き、か。人を好きになるって行為自体があまり分からなかったりもする。人様のことを好きになるほどの価値すらないって卑下た気持ちがある。なんでこんなになってしまったのだろう。
 はぁ。
 手を、握れたら、変われる気が、する。
 誰もが一度は通る道じゃないか。だよね、がんばってみます。

つたや半額ウイーク

マシニスト [DVD]

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 観終わり、後味、良くもなく、悪くもなく。なんだか不思議な映画。でもこのもわっとした感じは嫌いじゃないです。

いま読んでる本

グミ・チョコレート・パイン グミ編 (角川文庫)

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高校時代を思い出した。女性はこれを読んでどう思うんだろう。