言葉はいつも想いに足りない

~きおくのきろく~

 そんなことはないと思っていた。
 ひとりの時間がないと生きていけないし、仮に結婚したとしても別居がいいなどと公言したりもしていた。
 でも違った。彼女に会いたくて会いたくてたまらない。なにを置いてでも会いたいと思い、実行している。仕事中でも自然と彼女のことを想い、明日会えると思うだけで楽しみで仕方のない自分がとても不思議ですらある。初めて会ってからまだ1ヶ月なのに。
 変わったのではなく、そういう自分を今まで知らなかっただけなのだろう。自分はこういう人間だったのだ。
 なんでこうまで彼女に魅かれるのだろうと考える。自分を受け入れてくれているからだと気がつく。こんな自分を。磁石のプラスとマイナスのようにお互いがお互いを欲しているのがうれしくてたまらない。
 彼女以上の方がこの世にいるのだろうか。
 この関係が、この想いが、永遠に続けばと思ってやまない。
 彼女が運命の人でありますように。