言葉はいつも想いに足りない

~きおくのきろく~

 なんの感情も生まれてこない4月12日って何年ぶりだろう。あの方への想いはどうやら本当に終わってしまったようだ。


 僕は本当に恋をしていたのだろうか。本当に好きだったのだろうか。人を好きになるって、いったいどういうことなんだろう。
 「そう思わされている」ような気がしてならない。あの方が好きだと誰かに思わされていたような気がする。本当に僕が好きだったのだろうか。本当は誰があの方を好きだったのだろうか。僕の思いはそこに反映されていたんだろうか。僕の想い。僕はあの方が好き。僕は好き。僕って誰?



 僕はあの方を利用していた。何のために? 生きていくために。



 人を好きになるってそういうことか。