言葉はいつも想いに足りない

~きおくのきろく~

 昔の仲間と呼べる方が亡くなったと連絡を受ける。詳しいことはまだ伝わってきていないが、病死とか。色白なこともあり、顔色はいつもよくなかったけど、それでもいつも元気で病弱な感じはない彼だったのに。


 彼はかなりのロリコンで(ある意味僕以上)、そんな話をできる数少ない方だった。彼が「あの子かわいいよ」という子はいつも小学校低学年で、「たしかにかわいいけど、ちょっといきすぎでしょ」なんて笑い合う…、彼とはそんな仲だった。


 その彼が亡くなった。もう2度と会うことはできない。


 ちがう。そうじゃない。


 たとえ肉体が無くなったとしても、そんなことは大きな問題ではない。彼は、僕の記憶の中で、思い出の中で、今もちゃんと生きている。


 人の死はその人を忘れてしまうことだと思うから。


 僕は彼を忘れない。だから彼はずっとずっと生き続ける。