言葉はいつも想いに足りない

~きおくのきろく~

 僕は僕であって僕じゃない。
そう感じることがある。僕はとても浅いところで演じられている感じがする。そう、とても浅いところで。


 僕が僕であり続ける必要がどこにあるのだろう。
 僕は僕であって、僕じゃないのに。


 僕を演じている僕はなにを考えているのか分からない。なぜなら僕は演じられている僕だからだ。
 僕の考えていることと演じている僕の考えが近づくときがある。そのとき僕は僕を感じる。そして僕はこの世界を演じられて生きているのだと改めて気づかされる。
 思いがけない事実に直面したとき、演じている僕がふと本音をもらしてしまうことがある。そんなことを考えていたんだと僕は驚き、唖然とする。


 僕は僕であって僕じゃないとするのなら、僕はこの世に存在しているのだろうか。

 
 あなたはいったい誰なのですか?