言葉はいつも想いに足りない

~きおくのきろく~

 朝早起きして、昭和大学病院までCTの検査。
到着後まず、造影剤を飲まされる。「飲みやすくするために麦茶で割ってあります。飲めるだけ飲んでください」とおねえさん。飲んでみるとたしかに麦茶の風味あり。気の抜けたぬるい麦茶サワーといったところか。正直、まずい。麦茶あんまり好きじゃないしね。容器はマクドナルドのコーラLサイズ級。こりゃ半分も飲めないなーと思っていると、隣にいた初老の女性はきゅっきゅっきゅと3口ほどで完飲する。わぉ。しかたなくちびり、まずっ、ちび、まずっとやる気をみせる。9割方飲んだところで、底の方にドロッとした半透明のゼラチン物体が見える…。蛙の卵の透明な部分を連想させ、気持ち悪さに拍車がかかりギブアップ。

 個室に入り、撮影。
技師さん(女性)、当然のようにかわいい(はあと)。ズボン下ろすのを手伝ってくれ、ちょっとドキドキ。かわいい方の注射は痛くない(アホ)。「稀に気分の悪くなる方がいらっしゃいますが、ご気分はだいじょうぶですか?」と。「あなたの美貌に酔いそうです」なんて小じゃれた返しができるわけもなく、撮影は5分ほどで終了。これで輪切りにされちゃうんだもんな、科学の進歩は恐ろしい。

 技師さんにお礼を言い、1階で会計を済ませて本日の検査は終了。


 終了…。


 4階のおねえさんに会いに行く。今日もいるかな。ときめきながらエスカレーターで4階へ。
いた!
あー今日もかわいい。このまま立ち去るのもあれなので「次の検査のことで…」などと口実を作り「すいません」と話しかける。至近距離で見てもかわいい。明らかにかわいい(はあと)。
 口実は口実の域を出ることなく1分ほどで会話は尽きる。後ろ髪ひかれつつ「ありがとうございました」。


 金曜日にまた会えると思うと検査通院の日々も悪くない。むしろ大歓迎の理です。